Midjourney AIの使い方|初心者向けステップバイステップガイド(2026年版)

最終更新日: 2025-12-24 14:25:35

Midjourneyは、テキストから画像を生み出すAI画像生成の常識を覆しました。シンプルな文章入力だけで、プロ品質のビジュアルを数秒で生成できます。デザインのインスピレーションを探すデザイナー、訴求力のあるビジュアルを作りたいマーケター、画像生成AIに興味のある初心者まで——本Midjourneyチュートリアルでは、完全な入門者から自信を持って使いこなせるクリエイターへとステップアップできます。

私は2023年初頭から、クライアントワークやプロダクト用ビジュアル、コンテンツ制作でMidjourneyを継続的に使ってきましたが、初心者がつまずきやすい最大のポイントは、ツールそのものではなく「プロンプトの書き方」にあります。

このガイドでは、Midjourneyのアカウント作成や料金プランの基本から、成果を左右するプロンプトの書き方、さらに多くのチュートリアルでは触れられない高度な機能の活用方法まで、はじめての方が知っておきたいポイントを一通りわかりやすく解説します。

Midjourney AIとは?

Midjourneyは、自然言語で入力した「プロンプト」から画像を生成するAIツールです。Leap Motionの共同創業者であるDavid Holzが率いるサンフランシスコの独立系リサーチラボによって開発され、DALL·EやStable Diffusionと並ぶ、代表的な画像生成AIとして急速に注目を集めています。

Midjourneyが他と一線を画す理由は、その独自のビジュアルクオリティにあります。芸術性の高い表現、シネマティックな照明、絵画のような質感に優れ、まるでプロのアーティストが制作したかのような画像を生成できます。特に次のような用途で力を発揮します:

  • コンセプトアート・イラスト制作:ゲーム、映画、書籍のアイデアをスピーディーにビジュアル化
  • UI/UXデザイン:モックアップやアイコン、デザインの着想を手軽に生成
  • マーケティング・広告:キャンペーンやSNS向けのオリジナルビジュアルを作成
  • 商品ビジュアル・プロダクト撮影:ライフスタイルカットや商品イメージを生成
  • 個人のクリエイティブ制作:絵のスキルがなくても、想像をそのまま形に

Midjourneyは無料?サブスクリプションプランを分かりやすく解説

まず最初に、もっとも多い質問からお答えします。現在、Midjourneyは無料では利用できません。2023年4月に、利用者の急増と不正利用への対応として無料トライアルは終了しました。ただし、サブスクリプションプランは、数秒で高品質な画像を生成できるクオリティを考えれば、十分に納得できる内容になっています。

Midjourney 料金プラン(2026年)


プラン月額料金Fast GPU時間おすすめ用途
Basic$103.3時間(約200枚)趣味用途、ライトユーザー
Standard$3015時間 + Relaxモード無制限定期的に制作するクリエイター、デザイナー
Pro$6030時間 + Relaxモード無制限プロフェッショナル用途 + ステルスモード
Mega$12060時間 + Relaxモード無制限ヘビーユーザー、制作会社・エージェンシー
Pro Tip: 年額契約なら20%お得。Midjourneyを継続的に使うなら、Relaxモード無制限が付いたStandardプラン(年額換算 $24/月)が最もコスパに優れています。

Midjourneyの始め方:ステップ別セットアップガイド

Midjourneyは、公式サイトのWebインターフェース(midjourney.com)から使う方法と、Discord経由で使う方法の2通りがあります。Web版は比較的新しく、操作も直感的で、初心者の方には特におすすめです。ここでは両方の使い方を紹介します。

方法1:Web版Midjourneyを使う(おすすめ)

Midjourneyは2024年にWebインターフェースを正式リリースし、Discordよりも直感的で使いやすい操作体験を実現しました。ここでは、初めての方でも迷わず始められる基本ステップを紹介します。

  1. midjourney.com にアクセスし、「Sign In」または「Get Started」をクリックします
  2. Google、Discord、またはメール認証を使ってアカウントを作成します
  3. 用途に合ったサブスクリプションプランを選択します(後からいつでも変更可能です)
  4. Createページに移動すると、画面上部にImagineバーが表示されます
  5. 作りたいイメージを文章で入力し、最初のプロンプトを作成します
  6. Enterキーを押すと、Midjourneyが数秒で4つのユニークな画像を生成します

Webインターフェースなら、生成のリアルタイムプレビュー、画像の整理が簡単、編集ツール内蔵などのメリットがあります。Discordのチャットに邪魔されない、すっきりしたワークフローで作業できます。

方法2:DiscordでMidjourneyを使う

Discordを使いたい方や、コミュニティ機能を活用したい方は、以下の手順でセットアップできます。

  1. Discordアカウントをお持ちでない場合は、discord.comで作成します
  2. midjourney.comにアクセスし、「Join the Beta」をクリックしてMidjourneyのサーバーに参加します
  3. サイドバーから #newbies チャンネルを探します(または自分専用のプライベートサーバーを作成してもOKです)
  4. /imagine と入力し、その後に生成したいイメージのプロンプトを記述します
  5. 約60秒待つと、4枚の画像が生成されます

プライベートなDiscordサーバーを設定する:公開チャンネルの雑音を避けるため、Discordの「+」アイコンから自分専用のサーバーを作成し、公式サーバーからMidjourney Botを招待しましょう。これで、制作に集中できる静かなワークスペースが手に入ります。

はじめてのMidjourney画像を作ってみよう

セットアップが完了したら、あとはシンプルです。画像生成はすべて「プロンプト」から始まります。作りたいイメージをテキストで伝えるだけで、Midjourneyがそれを形にしてくれます。

画像グリッドの見方を理解する

プロンプトを送信すると、Midjourneyは4つの異なる画像バリエーションをグリッド形式で生成します。生成結果の下には、2列の操作ボタンが表示されます。

  • U1, U2, U3, U4(Upscale):選択した画像を高解像度でアップスケールします
  • V1, V2, V3, V4(Variations):選択した画像をベースに新しいバリエーションを生成します
  • 🔄(Re roll):同じプロンプトを再実行し、まったく新しい結果を生成します

アップスケール後は、Vary(Subtle)、Vary(Strong)、Zoom Out、Pan といった追加オプションが使えるようになり、生成した画像を微調整したり、構図を広げたりと、より自由に仕上げを詰めていけます。

最初のプロンプトは、シンプルでOK

最初の1枚は、シンプルでイメージしやすい内容から始めてみましょう。

秋の落ち葉で遊ぶゴールデンレトリバーの子犬、やわらかな日差し

このプロンプトが効果的なのは、被写体(ゴールデンレトリバーの子犬)、動き(遊んでいる)、シーン(秋の落ち葉)、光の条件(やわらかな日差し)といった要素が明確に含まれているからです。あとはMidjourneyが、アートとしての細かな表現を自然に仕上げてくれます。

Midjourneyプロンプトを極める:プロンプトエンジニアリングの基本とコツ

生成される画像のクオリティは、プロンプトの書き方で大きく変わります。詳細な指示を好むChatGPTとは異なり、Midjourneyでは短く、イメージを喚起する表現が効果的です。ここでは、思わず目を引く結果を生み出すプロンプトの作り方を紹介します。

プロンプト作成の公式

Midjourneyは単語ひとつでも生成できますが、プロンプトを構造化することで、仕上がりをより細かくコントロールできます。以下のフレームワークを参考にしてみてください。

  1. 被写体:何をメインに描くか?(侍の戦士、未来都市、コーヒーカップ など)
  2. 表現手法:どんな形式にするか?(写真、油絵、3Dレンダリング、水彩画 など)
  3. 環境:どこで描かれているか?(竹林の中、火星、水中、居心地のいいカフェ など)
  4. ライティング:どんな雰囲気にするか?(ゴールデンアワー、ドラマチックな影、ネオンライト、柔らかな拡散光 など)
  5. スタイル/世界観:どんな印象にしたいか?(シネマティック、ミニマル、ヴィンテージ、サイバーパンク、スタジオジブリ風 など)
  6. 技術的な指定:カメラやアートの設定(35mmレンズ、浅い被写界深度、広角 など)

プロンプト例:基本から応用まで

基本のプロンプト:

改善後のプロンプト:

午後の陽光が差し込む窓辺に座る、ふわふわのオレンジ色の猫。居心地のいい雰囲気

上級プロンプト:

ビクトリア調の窓辺に座るふわふわのオレンジ色のトラ猫。レースのカーテン越しに差し込むゴールデンアワーの光、光の中に舞う埃の粒子が見える。油絵風、暖かみのあるカラーパレット、親密で落ち着いた雰囲気   ar 3:4   s 750

各レベルで情報の具体性が少しずつ増しつつ、無駄なくまとまっている点に注目してください。上級版では、次に解説するパラメータ(  ar や  s)も取り入れられています。

本当に使えるプロンプトのコツ

  1. 具体的に、簡潔に。 「lighting that creates a sense of drama and intensity」よりも「dramatic lighting」のように短く的確な表現のほうが効果的です。
  2. アートの参照を活用する。 「in the style of Studio Ghibli」や「Baroque painting」など、スタイルを指定すると狙った雰囲気を伝えやすくなります。
  3. 否定形は避ける。 「no trees」と書くより、入れたい要素に集中しましょう。Midjourneyは否定表現を無視することがあります。
  4. リアルさを出すならカメラ情報を指定。 「shot on Canon 5D, 85mm f/1.4, shallow depth of field」などはフォトリアルな仕上がりに有効です。
  5. クオリティを底上げするキーワードを使う。 「highly detailed」「8k」「professional photography」「masterpiece」などを加えると品質向上が期待できます。

押さえておきたいMidjourneyの必須パラメータ

Parameters(パラメータ)は、プロンプトの末尾に「--」を付けて指定する特別なコマンドです。これを使うことで、Midjourneyの画像生成方法を細かく調整できます。パラメータを使いこなせば、イメージ通りの仕上がりをピンポイントでコントロールできるようになります。

よく使われるパラメータ


パラメータ使用例説明
arar-16:9アスペクト比。代表的な比率:1:1(正方形)、16:9(ワイド)、9:16(縦長)、3:2(写真)
s または stylizes-750アート表現の強さ(0〜1000)。数値が高いほど芸術的、低いほど指示に忠実
chaoschaos-50バリエーションの幅(0〜100)。数値が高いほど、4枚の生成結果に変化が出やすい
qq-2品質設定(.25、.5、1、2)。高いほどGPU使用量が増え、細部まで精密に生成
nono text, watermarkネガティブプロンプト。指定した要素を生成結果から除外する
seedseed-12345再現性の指定。同じseedとプロンプトで、近い結果を再生成できる
tiletileテクスチャや背景向けの、継ぎ目のないタイル状パターンを生成

高度なリファレンスパラメータ

これらの強力なパラメータを使えば、画像を参照として活用し、生成結果に反映させることができます。

  • sref(Style Reference):参照画像のビジュアルスタイルを反映します。sw(style weight)と組み合わせることで、スタイルの影響度を細かく調整できます。
  • cref(Character Reference):複数の生成にわたってキャラクターの一貫性を保ちます。ストーリーテリングやブランド表現に欠かせない機能です。
  • iw(Image Weight):画像プロンプト使用時に、参照画像が結果に与える影響の強さをコントロールします(0〜2)。

スタイル参照を使った例:

夕焼けに染まる山岳風景   sref https://example.com/style image.jpg   sw 100

Midjourneyの高度な機能

画像から画像生成

テキストプロンプトだけでなく、画像を入力として使うことで、Midjourneyの生成結果をより狙いどおりに導けます。

  • Image Prompts:画像をプロンプトバーにドラッグし、テキスト説明を追加。画像が構図や内容に影響します。
  • Blend:/blend(Discord)またはWeb版のBlend機能を使って、2〜5枚の画像を融合し、新しい作品を生成できます。
  • Describe:画像をアップロードすると、Midjourneyが再現に使えるテキストプロンプトを生成。スタイルのリバースエンジニアリングに最適です。

インペインティングと編集

Vary(Region)機能を使えば、生成した画像の一部だけを選んでピンポイントに編集できます。

  • まず画像をアップスケールします
  • 「Vary (Region)」をクリック
  • 選択ツールで変更したい箇所を囲みます
  • その部分をどう変えたいか、新しいプロンプトを入力します

手の崩れを直したり、背景だけを差し替えたり、特定の要素を追加したいときに、画像全体を生成し直す必要がないのが大きなメリットです。

ズーム&パン

元の境界を超えて、画像を拡張できます。

  • Zoom Out:元の画像を中央に保ったまま、キャンバスを外側に拡張します。1.5倍・2倍のズームオプションがあります。
  • Pan:上下左右いずれかの方向に画像を拡張し、シーンの続きを描き出します。

横に広がる風景を描いたり、ポートレートに背景を自然に追加したり、被写体の位置を調整したりと、表現の幅を一気に広げられる機能です。

パーソナライズ&スタイルチューナー

Midjourneyは、あなたの美的センスや好みを学習していきます。

  • 画像を評価:気に入った/合わなかった画像を定期的に評価して、あなたの好みをアルゴリズムに学習させましょう。
  • Style Tuner:生成されたスタイル候補から選んで、独自のスタイルコード(sref)を作成。作成したコードは他の人と共有できます。
  • pフラグを使用:任意のプロンプトに p を追加すると、あなたのパーソナライズされたスタイル設定が適用されます。

実践的な活用例とプロンプトテンプレート

UI/UXデザイナー向け

瞑想アプリのモバイルアプリUI、クリーンでミニマルなデザイン、柔らかなグラデーション、iOSスタイル、ライトモード、アスペクト比 9:19

分析プラットフォーム向けのダッシュボードデザイン、ダークモード、データビジュアライゼーション、モダンなSaaSの美学   ar 16:9

商品写真向け

大理石の上に置かれた高級香水ボトル、柔らかなスタジオライティング、エディトリアル調のプロダクトフォト、ミニマルな構図   ar 4:5

ダイナミックな水しぶきをまとって浮遊するワイヤレスイヤホン、ハイスピード撮影、ドラマチックなライティング、テック系プロダクトショット   ar 1:1

マーケティング・SNS向け

モダンなカフェでノートPCを使って働く若手プロフェッショナルたち。自然体のライフスタイルフォト、温かみのあるトーン、リアルで親しみやすい雰囲気。4:5

抽象的な幾何学背景、ブランドカラーのブルーとコーラル、ダイナミックな形状、モダンなコーポレート調   ar 16:9   tile

コンセプトアート・イラスト制作に

巨大な木の内部に隠された古代の図書館、ファンタジーのコンセプトアート、ボリューメトリックライティング、壮大なスケール、緻密な環境デザイン   ar 21:9

キャラクターデザインシート、サイバーパンクのストリート侍、正面・側面・背面ビュー、衣装デザインの細部まで、anime style   ar 16:9

知っておきたい Midjourney の代替ツール

Midjourneyはアート性の高い表現が強みですが、用途によっては以下のような無料の代替ツールも検討する価値があります。

  • DALL·E 3(Bing Image Creator経由):無料で利用可能。画像内の文字表現が非常に得意で、Microsoft製品との連携もスムーズ。
  • Stable Diffusion:オープンソース。ローカル環境で動作し、生成回数は無制限。コミュニティ製モデルで高度なカスタマイズが可能。
  • Adobe Firefly:ライセンス済みコンテンツで学習されており、商用利用も安心。Creative Cloudアプリとシームレスに統合。
  • Leonardo AI:無料プランあり。ゲーム用アセットや3Dテイストのレンダリングに強み。
  • Ideogram:画像内テキストの再現性が高く、キャラクターの一貫性維持に優れる。

ツールにはそれぞれ強みがあります。芸術性や美しい仕上がりという点では、Midjourneyはいまなお第一選択です。一方で、特定のワークフローや予算に合わせて、他の選択肢がより適している場合もあります。

よくある質問

Midjourneyで生成した画像は商用利用できますか?

はい。有料プランの加入者は、生成した画像の権利を保有し、商用利用が可能です。ただし、年商$1Mを超える企業向けに画像を生成する場合は、ProまたはMegaプランが必要です。

複数の画像で同じキャラクターを一貫して生成するには?

キャラクター画像と一緒に   cref(キャラクター参照)パラメータを使います。例:「森の中の私のキャラクター   cref [image URL]」。  cw パラメータで、キャラクターの再現度(どれだけ厳密に維持するか)を調整できます。

手が不自然に見えるのはなぜ?

AI画像生成では、これまで「手」の表現が苦手とされてきました。対策としては、プロンプトに「detailed hands」や「anatomically correct hands」を入れる、画質を上げるために   q 2 を使う、そして Vary (Region) ツールで手の部分だけを再生成するのが効果的です。

Discordを使わずにMidjourneyは利用できますか?

はい。midjourney.com のWebインターフェースなら、Discordを使わずにフル機能を利用できます。実際、ほとんどのユーザーにとって最もおすすめの使い方です。

FastモードとRelaxモードの違いは?

Fastモードは、割り当てられたGPU時間を消費して使用し、約60秒で画像を生成します。Relaxモード(Standardプラン以上)は回数無制限で利用できますが、処理速度はやや遅く、混雑状況によって生成時間が変動します。

生成した画像を非公開にするには?

Midjourneyで生成した画像は、デフォルトではすべてギャラリー上で公開されます。非公開で画像生成したい場合は、ステルスモードが含まれるProプランまたはMegaプランへの加入が必要です。

今日から制作を始めよう

Midjourneyは、デジタルアート制作を誰もが手にできるものにし、数分でプロ品質の画像生成を可能にしました。成功の鍵はとにかく試すこと。さまざまなプロンプトを投げ、パラメータを調整し、改善を重ねることを恐れないでください。

Midjourneyを使い始める前に、まずは次の基本ポイントを押さえておきましょう。

  • まずはシンプルに。基本的なプロンプトから始め、少しずつ要素を足して洗練させていきましょう。
  • パラメータを理解する。まずは ar、s、chaos をマスター。影響度が最も高い要素です。
  • うまくいく例を研究する。Midjourney Exploreページで、他のクリエイターの成功プロンプトをチェックしましょう。
  • 徹底的に反復する。良い画像は、バリエーションやre rollsで磨き込むことで生まれます。
  • コミュニティに参加する。Midjourney Discordやフォーラムは、ヒントとインスピレーションの宝庫です。

次のプロジェクトのコンセプトアート制作から、マーケティング用ビジュアルの生成、純粋な創作の探求まで。Midjourneyは、想像力以外に制限のない、圧倒的にパワフルなキャンバスを提供します。

さっそく始めましょう。 midjourney.comにアクセスして、用途に合ったプランを選び、今日から最初の画像生成を体験してみてください。