logo

Kling 2.0レビュー:AI動画生成の未来はここに?

Published on Fri Apr 25 2025

kling2.0 AI Video Generator Logo

ニュースレターで毎日のようにAI業界を変革する新しい技術を目にしていませんか?Kling 2.0は、今まさに話題を集めている最新モデルです。Kling AIが開発したこの強力なツール(こちらから試せます)は、Runway Gen 4やGoogle Veo 2といった業界トップを超える、圧倒的なシネマティック品質と精度を約束しています。画像から動画生成テキストから画像生成などの機能で、Kling 2.0はAI動画生成分野のトップに立っています。しかし、本当にその評判通りなのでしょうか?このレビューでは、Kling 2.0をいくつかのユニークな課題でテストし、前モデルとの比較や新機能も詳しく紹介します。コンテンツ制作者や映像クリエイターはもちろん、AIで遊びたい方にも、このガイドがKling 2.0があなたの時間とお金に値するかどうか判断する助けになるはずです。果たしてこのAIがストーリーテリングの未来となるのか、一緒に確かめてみましょう。


課題でのパフォーマンス

Kling 2.0の実力が本当に基準を満たしているのかを確かめるため、Runway Gen 4とGoogle Veo 2という2つの競合モデルと比較テストを行いました。私たちが用意した5つの難しい課題で、これら3つのモデルがどのような結果を出したのかをご覧ください。

女性とオウムのチャレンジ

Kling 2.0 video output of woman and parrot with precise motion

Kling 2.0はこのプロンプトを見事に再現しました。女性が手元を見下ろし、カメラがその視線を追い、その後オウムが手にとまるという流れです。モデルは指示通り、動きを段階的に表現しました。Runway Gen 4は最初の部分を省略し、すでにオウムがいる状態を生成。Google Veo 2は不自然な動きを作り出し、比較の必要もないほどでした。Kling 2.0は連続した動きを正確に表現できる点で際立っています。

水没都市チャレンジ

Kling 2.0 video scene of dynamic flooding in a city

水害の表現はAIモデルにとって難しい課題ですが、Kling 2.0はしっかりと対応しました。洪水が街を勢いよく流れ、車を押し流しながら道路をダイナミックに満たしていきます。Runway Gen 4はプロンプトを理解できなかったようで、関係のない大波がカメラに向かってくる映像を生成。Google Veo 2の洪水は静的で不完全、動きも弱く、洪水らしさがありません。Kling 2.0は環境効果をリアルに描写できるため、洪水の迫力や車・建物との相互作用も見事です。

疾走する馬のチャレンジ

Kling 2.0 action scene of a galloping horse with dynamic motion

高速アクションこそKling 2.0の真骨頂です。疾走する馬はダイナミックでスピード感がしっかり伝わりました。キャラクターの顔がやや崩れましたが、致命的な欠陥ではなく許容範囲です。Runway Gen 4はスローモーションのような馬を生成し、スピード感が全くありませんでした。Google Veo 2の馬はほとんど動かず、兵士が不自然に後ろをついていくような映像に。Kling 2.0は動きのあるシーンで特に優れており、スピード感あるアクションには最適です。

浮遊する図書館チャレンジ

Kling 2.0のカメラチルトによる浮遊する図書館の映像出力

このチャレンジでは、Kling 2.0に浮かぶ家具や本がある古い図書館を作るよう指示しました。Kling 2.0は、指示通りにカメラをなめらかに下に傾けながら、まるで映画のワンシーンのような動きでシーンを完成させました。Runway Gen 4も物体を浮かせることはできましたが、カメラを傾けずに上下に動かしてしまい、こちらの指示とは違う動きになりました。Runwayは優れたモデルですが、毎回あと一歩指示通りにならない印象です。Google Veo 2は本だけを浮かせ、カメラの動きは完全に無視していました。Kling 2.0は、物体の浮遊からカメラワークまで細部にこだわった点で際立っています。

サムライファイトチャレンジ

Kling 2.0によるダイナミックなサムライの戦いの映像シーン

戦闘シーンはAIモデルにとって依然として難題で、Kling 2.0も例外ではありません。以前のバージョンよりサムライの動きは良くなりましたが、刀がぶつかると一貫性が失われてしまいました。Runway Gen 4の戦いもダイナミックでしたが、同じような問題があり、Google Veo 2の出力は戦いというより丁寧な口論のようでした。Kling 2.0は今後に期待できますが、複雑なやり取りの表現はまだ課題が残っています。


バージョン1.6との比較

Kling 2.0は他のモデルと競うだけでなく、前バージョン1.6からも大きく進化しています。以下の4つの例で、Kling 2.0がどこまで進化したかが分かります。

イーグルプッシュ

Kling 2.0による自然な動きのイーグルプッシュ映像

バージョン2.0では、まさに指示通りの結果が得られました。男性がワシをやさしく押すと、ワシはダイナミックに羽ばたいて自然に飛び立ちます。バージョン1.6の映像は静的で、動きの生成によくある問題で、ワシの飛行がぎこちなく不自然に見えました。動きのリアルさの進化は一目瞭然です。

オオカミの疾走

Kling 2.0による滑らかな動きのオオカミ疾走シーン

Kling 2.0のオオカミは滑らかでダイナミックに走りますが、バージョン1.6のオオカミはぎこちなく、まるで足を引きずっているようでした。新しいモデルは自然でスピード感のある動きを表現できるため、動物やアクションシーンの表現力が大きく向上しています。

人間の感情表現

Kling 2.0による正確な唇の動きで感情を表現した映像

バージョン2.0では、以前問題だった不自然な唇の動きがついに修正されました。怒りのシーンを指示したところ、女性の唇はしっかりと静止し、1.6のように意味もなく激しく動くことはありませんでした。この小さな違いが感情表現のリアリティを高め、モデルのレベルを一段上げています。

ガンファイトシーン

Kling 2.0のダイナミックな銃撃戦シーンの動画出力

バージョン2.0の銃撃戦はスリル満点でダイナミックですが、中盤からは新しいキャラクターが登場したり、他のキャラクターが消えたりして混沌とします。バージョン1.6のシーンは静的でしたが、まとまりがありました。Kling 2.0のダイナミズムは刺激的ですが、安定感はやや犠牲になっています。それでも、完璧な一貫性よりもアクションを重視するクリエイターにとっては、十分に価値のある進化です。


新機能

Kling 2.0はパフォーマンス向上だけでなく、image-to-videotext-to-imageなどのツールを通じて、創造性を広げる強力な新機能も追加されました。

マルチエレメント

Kling 2.0の動画編集用マルチエレメント機能

この注目の機能「マルチモーダル・ビジュアルプロンプト」では、テキストや画像を使って動画内の要素を追加・削除・入れ替えができます。例えば、ロボットの肩からオウムを消したり、溶岩に囲まれたオペラハウスにキャラクターを加えたりも可能です。Pikaのスワップツールに似ていますが、さらに柔軟性があります。なお、この機能はまだバージョン2.0には統合されていませんが、今後追加予定です。

Image-to-Videoの変更点

Kling 2.0のシンプルなimage-to-videoインターフェース

Kling 2.0では、以前のプロフェッショナルモードや「創造性とプロンプトのバランス」スライダーが廃止され、ユーザー体験が向上しました。現在はフレーム対応も一時的に停止しています。これを残念に思う方もいるかもしれませんが、多くの人はスキルに関係なく、シンプルで高品質なAI生成を求めています。上級者には物足りなさもあるかもしれませんが、結果を見れば納得できるはずです。Klingのimage-to-videoツールから直接この機能を試せます。


デメリット

優れた点が多いKling 2.0ですが、利用を検討する際に知っておきたい注意点もあります。

生成時間

Kling 2.0の生成時間の問題とサーバー遅延

Kling 2.0を使うには忍耐が必要です。テスト時には5秒の動画生成に39分かかりました。これはサーバーの混雑が原因と思われます。AIの処理を待つだけとはいえ、締め切りが迫るクリエイターには厳しい待ち時間です。しかも、もし仕上がりに満足できなければ、また39分待つことに!今後、モデルの成熟とともにサーバーの処理能力が向上することに期待しましょう。

コスト

5秒の動画ごとに100クレジットと、Kling 2.0は高額で、無制限プランもまだありません。以前のバージョンからの値上げは残念で、モデル自体は優秀ですが、多くのユーザーには手が届きにくい価格です。記者会見では安価なバージョンの存在が示唆されましたが、リリース時期は不明です。それまでは、コストを抑えたいクリエイターは他の選択肢を探す必要がありそうです。


まとめ

Kling 2.0はAI動画生成の分野で大きな進化を遂げました。シネマティックな画質、ダイナミックな動き、優れたプロンプト理解力を備えています。多くの点でRunway Gen 4やGoogle Veo 2などの競合を上回り、バージョン1.6からも大幅に改善されています。画像から動画テキストから画像の生成など、クリエイターにとって多用途なツールです。ただし、待ち時間の長さや高コストといった大きな課題もあります。最高レベルの映像を重視し、待ち時間や価格を許容できる方には、Kling 2.0は試す価値があります。一方、予算や時間に制約がある方には少しハードルが高いかもしれません。それでも、安価なバージョンの登場が期待されているので、Kling 2.0がクリエイターの定番ツールになる日も近いでしょう。実際に体験してみませんか?Kling 2.0を試して、あなたの創造力を解き放ちましょう。

このブログは以下のYouTube動画を参考にしています:

https://www.youtube.com/watch?v=a9KhKC04Hjo